【2023年美容センサス解説】「ネット予約」がリピートのカギに!サロン継続の理由1位は、「ネット予約できる」。初回のサロン選びは「ネットの口コミ」を最重視!

 

   ホットペッパービューティーアカデミー研究員  田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』-第7回 

【2023年美容センサス解説】「ネット予約」がリピートのカギに!サロン継続の理由1位は、「ネット予約できる」。初回のサロン選びは「ネットの口コミ」を最重視!

 

ホットペッパービューティーアカデミー 研究員の田中公子です。ホットペッパービューティーアカデミーでは、美容サロンの各ジャンル調査を発表しています。前回に続き、「美容センサス上期<アイビューティーサロン編>」の2023年版から、女性(15~69歳)のアイビューティーサロン選びのポイントをご紹介します!

 

文・作表:田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

 

<目次>
1.  サロンの立地は、「自宅近くにあるサロン」が上昇傾向
2.  サロンの認知経路、1位は「予約・口コミサイト」
3.  初回のサロン選びで重要視したポイント、1位は?
4.  サロンの利用は、「一つのサロンを使い続ける」傾向に
5.  サロンの継続理由1位は「ネット予約」!料金を上回る

 

 

 1. サロンの立地は、「自宅近くにあるサロン」が上昇傾向

 

まずは「サロンの立地」について。2021年以降、「自宅近くにあるサロン」のスコアが上昇しています。コロナ禍で外出しづらかった影響でスコアが伸びていると考えられますが、「自宅近くのサロンを使ってみると意外と良いサロンだった」という新しい出会いもあったのかもしれません。

2023年に「通勤・通学圏内にあるサロン」のスコアが上昇しているのは、コロナ禍の行動行動帰省の影響もほぼなくなった結果でしょう。オフィスでの勤務が増えるにつれて、「通勤・通学圏内にあるサロン」のスコアが戻ってくる可能性もあるでしょう。

 

 

 2. サロンの認知経路、1位は「予約・口コミサイト」

 

サロンの認知経路では、「予約・口コミサイト」が圧倒的な1位でした。前年からも3.8ポイント上昇しており、この5年で最も高いスコアになっています。反対に2位の「友人・知人の口コミ」は、前年から1.7ポイント減少。過去5年で最も低いスコアに。お店を知るきっかけが、リアルからオンラインに変化してきていることが分かります。

 

 

3.初回のサロン選びで重要視したポイント、1位は?

 

初回のサロン選びで重要視したポイントの1位は「ネットの口コミが良い」。前年からも3.9ポイント上昇しています。良い口コミはもちろんのこと、お客さまが意外と見ているのは「サロンからの口コミの返信」です。

中にはマイナスな口コミを書かれる場合もありますが、それに対してどんな返信をしているのか?返信をしない、感情に任せて返信をしてしまった…そのような返信は、口コミを書いたお客さまだけではなく、新規のお客さまも見ているのです。

反対に、反対に、マイナスな口コミに対して、管理職以上が丁寧な返信を書くサロンや、「サロンの改善ポイントを指摘いただいた」と真摯に経営改善に取り組むサロンは集客が伸びていくケースを多く聞きます。

 

 

 4.  サロンの利用は、「一つのサロンを使い続ける」傾向に

 

サロンの使い分けで「基本的に一つのサロンを使い続けている」という回答が2022年以降大きく伸びています。つまり、気に入ったサロンを見つけると、他のサロンに浮気をせずにリピートするお客さまが増えているということです。それでは継続の理由にはどのようなものがあるのでしょうか?

 

 

5.  サロンの継続理由1位は「ネット予約」!料金を上回る

 

サロンの継続理由1位は「ネット予約」、2位が「料金がリーズナブル」! 3位には「予約が取りやすい」がランクインし、料金よりも予約の利便性を重視するお客さまが多いことが分かります。前回の寄稿でもネット予約が増加していることをご紹介しましたが、ネット予約がサロン利用のスタンダードになっていることが分かる結果となりました。一方、ネット予約ができるサロンでも、「予約しようと思ってもすべて×になっている」、「3日前までしかネット予約できない」といった状態ではお客さまの不満につながることも多いです。ネット予約枠ができるだけ多く開けられているか?(枠の最大化)、当日にも予約できるようになっているか?(予約の直前化)など「ネット予約の質を上げる」取り組みも必要になってくるでしょう。

 

 

データ出典:ホットペッパービューティーアカデミー

美容センサス2023年上期<アイビューティーサロン編>」(2023年3月)

調査対象:15~69歳男女の過去1年間における美容サロン(アイビューティーサロン)に対する意 識・利用実態を調査(男女各6,600サンプル/人口20万人以上都市居住)※本寄稿においては、女性15~69歳のデータを使用

 

<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。
調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。
セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)​