美容師国家試験(実技)に「まつ毛エクステ」導入を調査・検討していたワーキングチームが結果発表!

 

「まつ毛エクステ」を美容師国家試験(実技)に。
実施するとしても5年以上先、準備期間が必要で当分は不可能!

「まつ毛エクステンション」が、美容師国家資格取得試験の実技試験に採用されるという問題について、それを調査・検討していた「まつ毛エクステンションの実技試験導入に関するワーキングチーム」が報告書を取りまとめ、令和5年3月24日、管轄官庁である厚生労働省大臣官房生活衛生・食品安全審議官宛に「理美試発第37号」として提出された。

その報告書によると、美容師資格取得試験の実技試験において「まつ毛エクステンション」を実施するという案件は、様々な問題があってしばらくは不可能であること、もし実施されるとしても準備期間が必要で、今から5年以上も先になるということが判明した。

 

「美容師養成のあり方に関する検討会」では美容実習における「まつ毛エクステンション」を推進

そもそも、「まつ毛エクステンション」が、美容師資格取得試験の「実技試験」に採用されるという話の発端は、2021年7月29日、政府の規制改革推進会議投資等ワーキング・グループの「国家試験(実技試験)」や「養成段階の知識技能の取得」等の議論を踏まえ、美容業界においても「美容師の養成のあり方に関する検討会」が設けられ、その検討が行われた。検討結果は、2022年8月29日、「美容師養成の改善について」というタイトルで発表された。

発表内容は、「美容実習全体について」、「オールウエーブセッティングの意義や将来の活用場面等の教育について」に加え、「まつ毛エクステンションの美容実習における実施について」という項目があげられた。

 

まつ毛エクステンションの美容実習における実施について

まつ毛エクステンションについては、美容師法の美容に該当するものであり、的確な知識と技術に基づく施術が必要な行為である。検討会の中で示された「美容師養成のあり方に関する意識調査」の結果から、現場ニーズの高さがうかがえる。

まつ毛エクステンションは、健康局長通知の別添え1において、養成施設の教科過程における必須科目の美容実習との項目として位置付けられているが、調査によれば、必須科目の項目として教えている養成施設は、全養成施設の半数程度にとどまっており、安心・安全な施術実施のため、必須科目の美容実習で「まつ毛エクステンション」を含めた基本的な知識・技術を確実に身に付けさせるよう、養成施設において徹底を図られるようお願いする。

規制改革推進会議ワーキング・グループから、このような要請を受けて、厚生労働省は、公益財団法人理容師美容師試験研修センターに対して、「まつ毛エクステンション」を美容師資格取得試験の実技試験に取り入れるとした場合、公正・公平な試験が実施可能かについて、具体的に検討し、必要となる準備期間や条件をまとめるよう要請した。

これを受けた、理容師美容師試験研修センター理事長は、令和4年5月に「まつ毛エクステンションの実技試験導入に関するワーキングチーム」を設置し、調査検討していた。その結果が、2023年、令和5年3月22日「美容師国家試験(実技試験)の見直しに向けた検討について」という報告書がまとめられた。

報告書では、先ず、美容師国家試験実技試験の現状として、ここ数年の受験者数、試験日程、試験実施方法等が説明されている。続いて、現行美容師実技試験の概要として、カッティング、ワインディング、オールウェーブセッティングの進行時間や進行方法、基本技術の概要、衛生術義試験の概要などが説明されている。

本題である「まつ毛エクステンション技術」を実技試験の課題として導入する場合の試験概要を検討した結果は次の通り。

 

【まつ毛エクステンション技術を課題に導入する場合の試験概要】