お客さまが検索サイトで重視するポイントは? 他店との差別化のヒントにも!

 

   ホットペッパービューティーアカデミー研究員  田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』-第15回 

お客さまが検索サイトで重視するポイントは? 他店との差別化のヒントにも!

 

ホットペッパービューティーアカデミー 研究員の田中公子です。ホットペッパービューティーアカデミーでは、美容サロンの各ジャンルの調査を発表しています。今回は2023年12月に発表した「美容センサス2023年下期」から美容サロン(ヘア、ネイル、エステ、アイ、リラクいずれかのサロン)を過去1年以内に利用したことのある女性3,596人に、検索サイトにおけるサロン探しの重視点についての調査をご紹介。アイビューティーサロンならではのサロン探しのポイントも解説します!

 

文・作表:田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

 

<目次>
1.  4月、5月は新しいサロン探しのタイミングに!?
2. 「クーポン」を使いこなせてる?
3.    施術や場所の「写真」で、疑似体験!
4.    施術者の「写真」も差別化に?
5. 【参考】男性を取り込むには、ブログも大切

 

1.   4月、5月は新しいサロン探しのタイミングに⁉

 

GW(ゴールデンウィーク)中の空いた時間に美容サロンに行っておこうと思う方は多いかもしれません。筆者もその一人で、夫は会社、子供は学校の中、ひとりの時間になったときにふと思ったのが「10年ぶりにまつげエクステに行こう」でした!

実は4月から子供の学校の役員にも就任しており、人前に出る機会が増えています。マスカラだと時間が経つとパンダ目になるため、非常に面倒だと感じていたところでした。筆者以外にも、4月からの生活の変化によって、新しいサロンに通おう、新しく美容を始めようとする方がGWの連休あたりから増えてくるように感じます。

筆者もせっかくなので「ホットペッパービューティー」を使って自宅近くにある新規のアイビューティーサロンを探してみることに。ここからは「美容センサス」の「検索サイトで重視するポイント」のデータを紹介しながら、データの裏にある顧客心理を読み解いていきます。

 

2.   口コミを閲覧する際に、重要視するポイントは?

 

 

女性が検索サイトを使ってサロンを探す際に、重視するポイントのランキングです。トップ3は「口コミ」、「クーポン」、「ネット予約」がランクイン。ホットペッパービューティーの集客の際にも、この3つは絶対に抑えておきたいポイントです。

特に「クーポン」のタイトル(キャッチ)と、説明文(コピー)は大切です。まつげエクステやまつげパーマは、ネイルのデザインやヘアスタイル・カラーとは違い、写真だけではわかりづらいことも。初めての方にもわかるような伝え方を工夫することが大切でしょう。筆者自身もサロン探しの際には、エクステの種類や本数だけではなく、どんな仕上がりのイメージになるか、などを書き添えているクーポンは「わかりやすいな」と感じました。

 

3.   施術や場所の「写真」で、疑似体験!

 

 

次に4位と5位を見てみましょう。

・写真(スタイルや施術の様子)
・写真(店内写真、外観写真)
と、「写真」が2割以上あります。

「まつげの写真は、ネイルと違って差が分かりにくい」と思われる方も多いかもしれませんが、ホットペッパービューティーであればメニューごとの違いを「フォトギャラリー」を使って紹介するのもよいでしょう。また、フォトギャラリーで写真を使いながら商材を説明するという方法も。最近ではまつげエクステやまつげパーマのほかに、ハリウッドブロウリフトなどの眉メニューも人気ですので、初めての方には写真で仕上がりを伝えることが大切です。

またアイビューティーサロンは、施術の場所がビルの1室である場合は、外から様子がうかがえません。「フォトギャラリー」等に内観や外観の写真を掲載することで、どんな場所で施術するのかお客さまも事前に安心ができるでしょう。

 

 4.   施術者の「写真」も差別化に?

 

 

6位と7位には
・スタイリスト・施術者の写真
・スタイリスト・施術者のコメント
がランクイン。

他店と比較する際には、デザインや場所の写真を見比べた後に「どんな施術者がいるのか?」まで詳しく見ていきます。目元の施術になるため、他のジャンル(ネイルやヘアなど)以上に、施術に対してとても慎重に情報を集める傾向があります。

筆者も複数の候補先が見つかった際には、施術者情報を見比べてお店を決めました。というのも、「デザインの写真」や「内観・外観の写真」はある程度そろっているサロンが多く、それだけでは比較の決め手がなかったからです。

筆者が気になったのは、その際、施術者の写真が「お店のロゴ」であるサロンと、「施術者自身の写真」が写っているサロンがあったこと。どちらのサロンも丁寧にスタッフからのコメントは書かれていたのですが、スタッフの人柄がより伝わりやすいと感じたのは、施術者自身の写真が写っているサロンでした。他店との差別化のために原稿のチェックをしてもよいかもしれませんね。

 

5.   【参考】男性を取り込むには、ブログも大切

 

 

最後に女性のランキングではトップ10の「スタッフのブログ」をご紹介しましょう。実は筆者もサロン選びの際には、ブログをかなり見ました。最終的な決め手になったのは、「ブログ」です。「セーブルラッシュをご利用のお客さま」や「フラットラッシュをご利用のお客さま」などまつげエクステごとに丁寧な記事が投稿されており、施術の違いがとても分かりやすく感じ「このサロンであれば!」と思ったからです。

まつげエクステやまつげパーマや写真では伝えられない施術の違いなど、ブログでしっかりと文字にして伝えると分かりやすいでしょう。また最近は、眉カットをする男性も増えており、アイビューティーサロンの男性利用率も上昇しています。実は女性以上に「ブログ」を見ているのは男性なのです。男性集客に力を入れられたいサロンは、なおさらブログの投稿頻度や内容を再確認しても良いのではないでしょうか。

 

 

データ出典:ホットペッパービューティーアカデミー

美容センサス2023年下期<美容意識・購買行動編>( 2023年12月)

調査対象:全国の 15~69 歳の男女13,000人
※本寄稿では、1年以内の美容サロン(ヘア、ネイル、エステ、アイ、リラクいずれかのサロン)利用者の女性3,596人と、男性2,806人を使用

 

<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。
調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。
セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)​