アイビューティーサロンの市場規模は?利用者は増えている? 美容センサス2024年上期から読み解く【最新】アイビューティーサロン利用動向!

 

   ホットペッパービューティーアカデミー研究員  田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』-第17回 

アイビューティーサロンの市場規模は?利用者は増えている?
美容センサス2024年上期から読み解く【最新】アイビューティーサロン利用動向!

 

ホットペッパービューティーアカデミー 研究員の田中公子です。ホットペッパービューティーアカデミーでは、2024年6月25日に「美容センサス2024年上期<アイビューティーサロン編>」を発表しました。毎年男女13,000人にアイビューティーサロンの利用動向を調査するホットペッパービューティーアカデミー最大規模の調査です。消費者のアイビューティーサロン利用動向の最新データをご紹介します!

 

文・作表:田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

 

<目次>
1.  市場規模は1179億円!ここ5年で最高額
2.  男女ともサロンの利用者層が広がる!
3.  女性の1回あたり利用金額がV字回復!カギは40代女性
4.  40代女性の利用金額が増加した理由は?
5.  年間利用回数もV字回復!3年連続で上昇
6. まつげエクステンションの復活が、年間利用回数増加に影響

 

1.   市場規模は1179億円!ここ5年で最高額

 

 

美容サロンから推計した(※)アイビューティーサロンの市場規模は、1179億円で前年比+28.9%と大きく増加しました。市場規模はここ5年で最高額に達しており、アイビューティーサロン市場が非常に好調であることが分かります!

※市場規模推計 算出の方法
市場規模推計(円)
=人口(人)※1 ×1年以内のサロン利用率(%)※2 ×1回あたり利用金額平均(円)※3 ×年間利用回数平均(回)※4
※1人口データは人口推計(総務省統計局)を使用。年齢(5歳階級)、男女別人口―総人口(各年10月1日時点)。調査年の前年10月1日時点の人口を使用。
※2※3※4ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2024年上期≪ネイルサロン編≫資料編」より使用。

 

2.   男女ともサロンの利用者層が広がる!

 

 

市場規模の大幅な拡大には、サロンの「1年以内の利用率」が上昇していることが理由です。男女ともに利用者が増えており、過去5年で最も高いスコアに。男性は2022年から3年連続で上昇しています。
コロナ禍のマスクの生活で目元に対する美容投資が注目されましたが、コロナ禍の規制がほぼなくなった中でも、目元美容に対する高い関心は継続しています。

ここからは女性のデータでさらに詳しく見ていきましょう。

 

 

3.  女性の1回あたり利用金額がV字回復!カギは40代女性

 

 

女性の1回あたり利用金額では、2024年が過去5年で最高額になりました。コロナ禍で金額が落ち込み、2022年には底をついたものの、その後年々金額が上昇しています。年代別に1回あたりの利用金額を見ると、女性は40代が前年から大きく上昇しています。

 

 

 

 4.  40代女性の利用金額が増加した理由は?

 

 

40代女性については、「まつげエクステンション」の利用が顕著に伸びており、単価の高いまつげエクステンションの利用が増えたことが利用金額アップにつながっていることが分かります。

まつげエクステンションは(筆者も40代でまつげエクステンションをしていますが)まつげの本数が少なくなってきた、まつげが切れやすくなってきた、というオトナ女性の悩みの解決としても利用が増えているのではないでしょうか。

 

5.  年間利用回数もV字回復!3年連続で上昇

 

 

コロナ禍で大きく落ち込んだ年間利用回数も上昇を続け、コロナ禍前の2020年(調査は毎年2月に実施)を超える5.22回に!外出の自由度が高まることが、サロン利用に直結していることが分かります。

まつげエクステンションやまつげパーマは「イベント利用」ではなく、今やアイメイクの手間を下げる「時短美容」として年代問わず日常的に利用している人が増えているということでもあるでしょう。

 

6.  まつげエクステンションの復活が、年間利用回数増加に影響

 

年間利用回数が増加傾向にある背景には「まつげエクステンションの利用」と「アイブロウ・眉カット」の増加の影響がありそうです。

メニュー別利用を見ると、依然1位は「まつげパーマ・カール」なのですが、利用率はやや減少しています。代わりに「まつげエクステンション」の利用が増加しており、復活の兆しを見せています。1回あたり利用金額が上昇したのも、施術単価の高い「まつげエクステンション」利用の増加が影響しているでしょう。

また、「アイブロウ・眉カット」の利用者も増えて、サロンでのまつげエクステンションやまつげパーマと併用した使い方によって、1回あたりの利用金額の上昇にもつながっているでしょう。目元美容は高単価化、そして施術の範囲が広がる傾向にあります。

 

データ出典:ホットペッパービューティーアカデミー

「美容センサス2024年上期<アイビューティーサロン編>」( 2024年6月)
調査期間:2024年2月(毎年2月に実施)
調査対象:全国、人口20万人以上の都市に居住する15~69歳の男女各6,600人

 

 

<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。
調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。
セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)​