利用者が急増しマーケットが拡大! アイビューティーサロンの人気メニュー・今後のトレンドは?

【連載】ホットペッパービューティーアカデミー 研究員田中 公子氏が見る『アイビューティー業界』

利用者が急増しマーケットが拡大!
アイビューティーサロンの人気メニュー・今後のトレンドは?

ホットペッパービューティーアカデミー 研究員の田中公子と申します。ホットペッパービューティーアカデミーでは、「美容センサス」をはじめとした美容サロンの各ジャンル調査を発表しています。この連載では、アカデミー調査のトピックなどから、アイビューティーに関連した調査をご紹介!データからアイビューティーの今とこれからを一緒に見ていきましょう。

文・作表:田中 公子(ホットペッパービューティーアカデミー研究員)

 

<目次>
1.  女性のアイビューティーサロン利用率は9.3%。ネイルを上回る!
2.  利用率は前年から急増!目元重視の美容はサロンにも
3.  まつげパーマの利用率が上昇!初心者の取り込みに?
4.  Z世代はアイビューティーサロン利用を「今よりも増やしたい」が3割
5.  Z世代が今後注目するのは「眉」

 

 1. 女性のアイビューティーサロン利用率は9.3%。ネイルを上回る!

最初にアイビューティーサロンの利用率(1年以内のサロン利用者の割合)を、美容サロンのジャンル別に並べてみましょう。ヘア(81.3%)を除くと、最も多く利用されているのは、リラク・着衣[服を着たままのリラクゼーション施術。もみほぐし・マッサージなど](12.4%)です。アイビューティーサロンは、脱毛(9.5%)に続く、利用率(9.3%)です。
実はアイビューティーサロン、ネイル(8.8%)よりも利用率が高いのです。つまりネイルをする女性よりも、まつげパーマ・まつげエクステンションなどをする女性のほうが多いということです。
さらに若年層になると、アイビューティーサロンの利用はより増加します。20代では21.3%と5人に1人以上がサロン利用をしていることに!

 

 

 2. 利用率は前年から急増!目元重視の美容はサロンにも

時系列でみると、2021年から2022年にかけて大きく伸びていることが分かります。コロナ渦のマスクの生活で、メイクのトレンドは「マスクから見える」目元重視になっています。そのトレンドがアイビューティーサロン利用を引きあげているのかもしれませんね。


 

 

 3. まつげパーマの利用率が上昇!初心者の取り込みに?

利用率を上げることにつながった背景は、コロナ渦の「目元重視」のトレンド以外にもあるでしょうか?実は「まつげパーマ・カール(以下、まつげパーマ)」の利用率が急増していることも影響しています。
まつげパーマは、まつげエクステンション(以下、まつエク)に比べて施術時間も短く金額も安価な傾向。日常のお手入れも「まつげエクステ」ほど気を遣わず、定期的なサロンメンテナンスが必ず必要というわけでもありません。
こういった「手軽さ」が初心者の入口を広げて、サロンの利用者を増やしたのではないでしょうか。


 

 

 4.   Z世代はアイビューティーサロン利用を「今よりも増やしたい」が3割

今後の利用意向では、さらにポジティブな結果が。Z世代(15~24歳)のコロナ収束後のサロン利用意向では、サロンの中で「今よりも増やしたい」が最も多いのが「アイビューティーサロン(アイサロン)」。3割が回答し、「今よりも増やしたい」はほぼいない結果に。Z世代にとっては、サロンが「より日常的なメンテナンス」「身だしなみを整える場」になっているのではないでしょうか。現状も20代を中心に若年層の利用率が高いマーケット。今後の伸びも期待できますね。

 

 

 5.   Z世代が今後注目するのは「眉」

Z世代のデータをもう一つ見てみましょう。Z世代が「実際に利用」または「興味を持った」メニューの中で、注目は「眉」。「眉毛サロン」「アイブロウ・眉カット」は、ともに「興味をもった」が「実際に利用」を大きく上回っています。
ニーズが大きいが、まだ利用者は少ない=今後の大きな伸びしろになるということ!新しいサロンのトレンドがうかがえるのではないでしょうか?

 

 

データ出典:ホットペッパービューティーアカデミー

「美容センサス2022年上期<アイビューティーサロン編>」(2022年6月)
調査対象:13,200人(全国15~69歳男女各6,600人)※今回の調査は女性データを使用
調査実施時期 2022 年 8 月

「コロナ渦のトレンド調査」(2022年3月)
調査対象:15~49歳の女性3,150人※今回の調査は女性データを使用
調査実施時期 2022 年 2月

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<寄稿>
田中 公子(たなか きみこ)
ホットペッパービューティーアカデミー研究員
前職は経営コンサルティングファームでIT業界の業務改善に携わる。リクルート入社後、ホットペッパービューティーの事業企画を経て、2012年から現職。
調査研究員として、「美容センサス」をはじめとした美容サロン利用調査や、美容消費の兆しを発信。
セミナー講演、業界誌・一般誌・テレビなど取材多数。(共著『美容師が知っておきたい50の数字』『美容師が知っておきたい54の真実』(女性モード社)ほか)​