まつ毛エクステのグルーはなぜ雑貨品扱いなのか、加納久朗氏に聞く。

 

まつ毛エクステのグルー(接着剤)は、目元に使われるのになぜ化粧品ではなく雑貨品扱いなのか。
その理由と注意すべきことについて、アイラッシュ業界で多岐にわたり活躍されている、加納久朗氏に話を聞いた。

まつ毛エクステのグルーは目元に使われるのに、なぜ雑貨品扱いなのか。

 

目元に使用するグルーの種類について

目元に使用する接着剤としては、主に「まつ毛エクステンション」に使われるシアノアクリレート系のグルーと、「付けまつ毛」用に使われるゴムラテックス系のグルーがあります。どちらも目元に使用しますが、大きな違いは「まつ毛エクステンション」用グルーはまつ毛を接着対象とし、「付けまつ毛」用グルーは皮膚を接着対象とする点です。

 

化粧品・雑貨の違いについて

現行の法律は、皮膚につけるもの(化粧品など)を対象としているため、皮膚(まぶた)に直接つける付け「まつ毛用グルー」は『有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律』によって規制されていますが、皮膚ではなくまつ毛につける『まつ毛エクステンション』用グルーには法令などの規制がないのが現状であり、化粧品ではなく雑貨として販売されることが多いのです。

過去に東京都生活文化局消費生活部生活安全課が、独自にまつ毛エクステンション用と付け爪用のグルーの安全性テスト『つけ爪、まつげエクステンション等に使用する接着剤の安全性』を行いました。その結果、ほぼ全てのグルーにホルムアルデヒドなどの有害化学物質が含まれていることが判明、各方面に注意喚起を行っています。

 

自身で内容成分を確かめることが大切!

現在は消費者の安全を考えて、国内の業界団体などが、有害化学物質に関する自主規制を設けていますが、規制のない〝雑貨品扱い〟として自由に輸入販売が可能なため、自身で内容成分を確かめるなど注意が必要です。

 

お客様に安全に安心して施術を受けていただけるように、グルーについて内容をお話させていただきました。
使用されているグルーは用途に合っているか、ホルムアルデヒドなどの有害化学物質が含まれていないかなど確認をしてみてください。

 

【 加納久朗氏  PROFILE 】

株式会社エイペックス 代表取締役
アイビューティサロン オリオン 代表
アイデザイントレーニングセンター 代表講師
神戸理容美容専門学校アイラッシュ講師
姫路理容美容専門学校アイラッシュ講師
ビューティコンソーシアム協会認定講師
エレガンスビューティカレッジSIS認定講師 

2006年にまつげエクステンション商材を扱う、株式会社エイペックスを設立。目元中心の美容技術であるため安全で安心して使用できる薬剤(グルー等)やオリジナル商品のなどの開発販売を行う。
その後、技術に特化したアイラッシュサロン「オリオン」を開業。過去の保育園運営の経験を活かして保育士常勤の大型託児施設もサロンに併設し、社員とお客様に無料で提供するなど働く女性応援施設として運営している。
当時はまだ、まつげエクステンション技術サービスが全国的にも珍しく技術教本も無かったため、独自に技術教育プログラムを作成して社員教育を行い、その経験を活かして2008年より目元美容技術専門スクールであるアイデザイントレーニングセンターを開校し、今までに多くのアイリストを育ててきた。
2012年には、その経験と実績が認められ兵庫県内の美容専門学校2校において、全国に先駆けてまつげエクステンション授業を行うこととなる。現在は、まつげエクステンションをはじめ、まつげパーマやアイブロウなど目元美容技術全般の授業の講師を務めている。